PEOPLE

理系出身社員の声

佐藤 瑞樹 Sato Mizuki

デジタルソリューション局 / 2021年入社

大学院卒 応用化学専攻

養ってきた「論理的思考能力」が
目指す未来へと、
力強く背中を押してくれる

大学や大学院での専攻と、社会人になって担当する分野がガラッと変わるというのは、文理問わずよくあること。
それでも根底に流れる「やりたいこと」やそこにかける「想い」は同じということも多くあります。
佐藤瑞樹は、入社時に胸に抱いていた想いといまの業務が、3年をかけてつながったと話します。
そこには理系出身らしい、論理的な思考が活かされていました。

新しい「移動」のサービス。
それを創り、広める挑戦

入社以来3年間、デジタルソリューション局で「MaaS(マース:Mobility as a Service)」をはじめとした観光ソリューションのプロジェクトに携わっています。

MaaSは、複数の交通手段の予約や支払いを、スマホなどのアプリやICカードを利用して一括で行える仕組み。様々な交通サービスをICTでシームレスに繋ぐ、新しい「移動」のサービスです。ヨーロッパなど海外では技術やサービスが進み、浸透もしています。それに比べると、日本はまだまだで、認知度もほぼゼロに等しいのです。最近やっとCMなどで耳にするようになりましたが、おそらく多くの人が「何のこと?」と思っているのではないでしょうか。私が入社した2021年ころにjekiでスタートしたものが「日本のMaaSの先駆け」となるプロジェクト。実は、jekiはMaaSで日本でも有数の実績を誇っている会社なのです。

すでに様々な土地で取り組みは始まっていて、私もこれまで東北全域・水戸・飛騨高山・京都などで実施したMaaSを担当しました。MaaSは多くの場合、地方自治体と開発会社やメーカーなど多様な関係者が関わるプロジェクトとなります。スケジュールもタイトで、数多くのタスクをこなさなければなりません。実証実験として行うプロジェクトも多く、オリジナルのデジタルプラットフォームをゼロから構築するケースもあります。関係者が多く、その誰にとっても初めてのことがあるというプロジェクトは、失敗やミスがつきもの。でも、そういうプロジェクトにこそ、理系の素養が活かせているのです。具体的には「なぜそうなる?」「なにが原因?」と考える論理的思考能力が武器になっています。どんな現象も、根拠があって起きています。その「根拠」を見つけることができれば、起こっている問題や課題を分析し解決して、先に進むことができる。研究でもトライアンドエラーを何度も繰り返し、それでも決してあきらめることなく考え続け、問題をひとつずつ解決して進めてきました。その取り組み方や思考、経験が今の仕事に活かされています。

見つかった「やりたいこと」。それを叶えられるのがjekiだった

仕事だけでなく、大きな決断をする時にも、論理的思考能力は私を助けてくれます。そのひとつの例が、jekiへの入社。それまでの人生でやってきた分野と全く違う広告業界を志した時、背中を押してくれたのも「裏づけとなる根拠をもとにものごとを考える」論理的思考だったのです。

とはいえ、手がけてきた応用化学の研究内容そのものは、今の仕事に直結していません。高等専門学校で蛍光粒子の研究を7年、大学院に進学してからはガラッと変わって体幹の研究を手がけました。一見、まったく関係なさそうですよね。でも私の中では繋がっていたんです。
私はずっと卓球に打ち込んできました。「もっとうまく、強くなりたい」と卓球部が強かった高専を進学先に選びました。理系という途は、卓球についてきた進路だったんです(笑)。高専には学位を取得するまで7年間通い、その中で論理的思考能力が少しずつ身についていきました。でも在学中ずっと卓球と研究に明け暮れていたせいで、卒業が迫って「これから何がやりたいか」と自分に問うたときに、納得できる答えが見つからなかったんです。それで「やりたいことを探す時間といろんなことを勉強する時間にしよう」と大学院進学を選びました。こんな理由で申し訳ないですが……(笑)。
でもそんな理由なので、院ではガラッと違う分野、スポーツが活かせる健康科学を選びました。実験でいろんな人に体力測定などをしてもらい、その結果を見て「体幹を効率よく鍛えるにはどうするか」「健康に長生きするには何が効果的だろうか」ということをチームで探っていました。
「スポーツや健康の研究なら、いろんな人に成果を役立ててもらうことができるだろう」
日本の健康科学は世界と比べても進んでいます。これからの超高齢化社会で人の役に立てる、と期待を胸に抱いて日々研究に打ち込んでいました。

でも、健康や運動について人に話そうとしても、ほとんどの人が興味を持ってくれなかったのです。日本の健康科学、そして科学技術は世界と比べても高水準なのに。でも知られていない。知ろうとする人も、少ない。
「もったいない」と、本気で思いました。そして「新たな技術や理論を開発するより、いまあるこの技術や成果を広める活動がしたい」と思ったんです。大学院で探したかった「やりたいこと」が、見つかったんです。それも自分が心の底から納得する理由で。

就活はメーカーの営業職と広告業界をターゲットにしました。チームで働けること、多様な人と話せること。研究で楽しんだチームワークとコミュニケーションを味わえる仕事というのも基準にしました。そこで出逢ったのがjeki。入社の決め手となったのは、全国各地に支社があること。その地域密着性。「東京など都会は情報に触れる機会が多い。これからは地方に情報を浸透させなければ」と考えていたからです。そういう意味では、観光型MaaSのプロジェクトは自分の素養が活かせ、さらにやりたいことにも近い仕事と言えます。

佐藤 瑞樹 佐藤 瑞樹

jekiなら、成し遂げたいことに挑める。楽しみながら

3年間MaaSを手がけ、今自分がやりたいことは、jekiのMaaSの認知度を上げ、より広く浸透させること。

そのきっかけは、手がけたMaaSを体験するために、現地に視察に行った時のことでした。
チームで議論し、失敗を乗り越えて作り上げたサービスを実際に使えた時、本当に感動したのです。ひとつのアプリケーションやツールで様々な移動手段を利用できることが、いかに快適で便利か身をもって知ることができました。旅行者が迷わない、煩わしさを感じないということはもちろん、高齢者にとっても使いやすい便利な、必要とされるサービスだと実感できました。一方で、やはりネックは認知度、浸透度の低さだと痛感。
「自分の手でMaaSの開発・改善はもちろん、より認知され広がる活動も手がけたい」と思ったのです。

日本は世界の中でも交通網が充実している国。その中でもJRは全国に広がる巨大な交通網を持っています。jekiはそのJRの強みを最大限に活用できる唯一の広告代理店。そんなjekiが手がけるMaaSは、“日本だからこそ”の良さを持った技術・サービスだと言えます。そこに広告代理店だからこそできる広告やスタンプラリーなどのイベントをからめれば、jekiのMaaSはさらに良いものになるはず。そのことでメーカー・企業×広告×消費者の全てがwinになれば、まさに理想形ですね。
そんな成功事例が生まれ、認知度や浸透度が高まれば、日本だけでなく、世界でも通用するMaaSになる可能性もあります。それを実現することは、入社動機として胸に抱いた「日本の誇る素晴らしい技術を広めたい」に繋がることでもあるんです。

jekiだからこそ可能な素晴らしいサービス。それをjekiらしい手法で広めたい。自分の手で。
そんな想いを抱いたとき、現実と夢がしっかりと納得できるカタチでひとつに繋がりました。そして、胸が躍るのを感じたんです。
jekiを選んでよかった、と改めて思いました。

余談ですが、私はJR東日本の社会人卓球部に所属しています。2022年には全国大会にもチャレンジしました。そういった繋がりができるのも、jekiの面白さですね。 理系の話をたくさんしましたが、学んだこと、今まで歩んできた日々、得た経験、その全てが社会人になってから私を支えてくれています。それでいて、これまで味わったことのない別世界を生きている感覚もあり。日々新しい発見と、その楽しさをたくさん味わっています。

(2023年4月現在)