PEOPLE

理系出身社員の声

吉田 奈央 Yoshida Nao

OOHメディア局 / 2023年入社

大学院卒 応用化学専攻

これまで歩んできた時間が
今に生きている
これからの人生をより良くしてれる

「大学に入学した頃の自分には、広告代理店に入社してバリバリがんばるなんて、想像もつかなかった」
そう話す吉田ですが、いま頑張れているのは大学時代にいろんな経験をして身につけた力があったからだといいます。
「研究でもなんでも興味を持つようにして挑戦してきたけれど、それがゼンブいまの私につながってます」と笑います。

あみだくじの結果に導かれた、
想像もしなかった人生

「人生は伏線回収の連続だ」
そう私は信じています。

私が専攻していた学部は、研究室を決める方法がちょっと変わっていました。「あみだくじ」なんです。
高校時代、実は数学が得意じゃなくて。でも化学は大好きで、物理も好き。そこで応用化学を学ぶ学部に進学しました。食べることやファッションが好きだったこともあり、当時は「生物もしっかり学んで、食品やコスメの研究開発を手がけてみたいな」と夢を描いていました。ですが、くじ運が悪く……。配属されたのは「先進理工学研究科」。宇宙についての研究室でした。対象は「暗黒物質」。ダークマターと呼ばれる未知の物質です。具体的にはJAXAとの共同研究で、暗黒物質の候補とされている物質を検出する装置の研究開発。その話を聞かされ「宇宙にはまったく興味が無かったけど、ちょっと面白そう。何かの縁だし、がんばってみようか」と思ってしまったんです(笑)。
結果、大学院まで研究を続けましたが、さすが宇宙の未知の物質、すぐに明らかな成果というのものは出せませんでした。覚悟していましたが、心残りでしたね。そのまま研究に身を捧げることも考えましたが、「気持ちを切り替えよう!」と就職の途を選ぶことにしました。
「やりたかった食品や化粧品の会社も良いな」と思いながら、視野も広げようといろんな業種の企業を見る中で、広告業界に出逢ったのです。

研究は、特に壮大なテーマのものは、自分の手でなにかの成果を生みだす、結論づける、といったことはめったにできません。そして、その経験を活かして企業の研究開発の仕事についても、やはり上流工程を担当することになります。「研究開発に就いても製品を生み出せることってレアケースなんだ」といろんな企業のインターンに参加してわかりました。そして「自分が関わったものが世の中にインパクトを与える仕事って、魅力的だな」といっそう思うようになったのです。宇宙の謎に挑むという答えのない壮大な挑戦をしていたからこそ、「自分で答えを出したい」「自分の手で創り上げたい」という欲求が私の中でフツフツと高まっていたんですね。
広告はその気持ちのど真ん中に飛びこんできたんです。

やりたかったことに、やりやすい環境で挑戦できるしあわせ

いろんな広告会社のインターンや説明会に参加すると「これがやりたかった仕事だ」と感じました。企画を軸に上流からスタートして、最終のアウトプットまで一気通貫で関わることができる。そして自分たちが創り出したものに、明確な反応が返ってくる。その面白さに心が躍り、知れば知るほど惹かれるようになりました。
どの会社も魅力的でしたが、jekiに入社を決めたのは「やりたことを手にしたら、突っ走れる。それを応援してくれる人がいる」という社風。いままでも、自分で考えながら研究に打ち込んできました。私のその姿勢にブレーキをかけず、求めれば応援してくれる人がいました。その環境でこそ、私はのびのびとやりたいことに熱中でき、成長して、成果を出すことができる。それと同じ環境が、jekiにあったのです。1年経った今もその判断は正しかったなと思っています。上司や先輩たちは、私の意見を頭から否定することがないんです。かといって、放置はせず、しっかりと後押ししてくれる。助言を求めると、親身に応えてくれる。実はちゃんと1年目に任せられる仕事を選んで、そこで自由に成長させてもらってるんだなと感じています。

いまの配属はOOHメディア局。OOHは「Out Of Home」の略で、電車の中吊り広告や駅構内の広告などのこと。私の担当は車両メディアで、電車内のサイネージで放映している「トレインチャンネル・まど上チャンネル」を担当しています。営業社員が獲得してきた案件に対して、クライアントの業界や目的に合わせて、最適な路線、掲出の時間・頻度などを考えて提案するのが主な業務。「自分が関わったものが世に出ているのを見ることができる」というのは初めての経験で、最初の案件が形になったときは本当に嬉しかったです。
jekiは鉄道や駅のOOHをたくさん手がけられるので、通勤やオフのお出かけの時にも自分の仕事が目にできます。家族や友人にも私の仕事を見せられるので、本当にやりがいがあるなあと実感しています。それにこれまで関わりがなかったたくさんの業界を知ることもできますね。業務ではその業界について調べて知識つけることになります。そしてクライアントのために、と考えて打ち込み、出稿につなげる。それが自分の成功体験にもなる。そこにやりがいを感じられるのが、この仕事の魅力だなと思います。

吉田 奈央 吉田 奈央

すべては、人生をよくする糧になる

1年目の大きな成功体験。それはNFTの広告を車内サイネージに出稿した案件です。NTFは「Non-Fungible Token:非代替性トークン」といって、「偽造ができない」という鑑定書や所有証明書を付与したデジタルデータです。まだまだ新しい商材・業界であることもあり、世の中の知名度は浅く、正しい理解も進んでいません。実際、私もNFTについて詳細に知っているわけではありませんでした。
車両サイネージでの広告出稿は多種多様な人の目に留まります。そのため、審査がとても厳格。新しい概念でありビジネスであるNFTに対しては「この広告を出稿することで、不利益を被る人はいないの?」つまり「アヤシくないの?」と厳しく問われます。そこをクリアするために、チームでNFTについての理解を深め、その上でNFTを扱う企業のWEBサイトを集めたり、ニュースや記録などを収集し、「NFTの信頼性」を証明する資料を作成しました。とはいえ、審査部はかなり厳しい目でその資料を読み込み、質問をしてきます。どんな質問が来てもそこに答えられ、かつ説得できる準備をするのは、とっても大変。
でも、「そこに理系として身につけたこと活かせるんだな」という発見がありました。
研究は、本当に先の見えないもの。そして失敗がつきもの。「ダメだった!」と分かったときに「よし、次のプラン行こう!」とすぐに気持ちを切り替えられるようになっていたんです。さらに、「これがダメだったら、すぐこっちを試そう」とプランBからCDEF……と、代替案をいくつか考えておくクセもついていました。そこまで備えていても、失敗します。それでもへこたれずに挑戦を続ける、とことん続ける気持ちも養われています。さらに、出した報告や発表には、教授や仲間が矢のように鋭い質問を浴びせてきます。それに柔軟かつ明確に回答して、新たな誤解・反論を生まないように説得する。そういった場への慣れ・耐性もできていました。
データを読み込んで整理し、資料を作成するというのももちろん得意ですが、理系として過ごした学生時代に、柔軟にプロジェクトを進める力、そして忍耐力と精神力、そして体力がついていたんだなあと実感しました。
そのおかげで、NFT案件では主体的に動くことができましたし、審査部をしっかりと説得することができました。「最悪の場合は失注になるかも」といわれていた案件が、無事に車内サイネージに表示された日は、本当に嬉しかったです。通勤で使う路線だったので、その喜びを毎日味わいつつ、これからの仕事へのモチベーションにもすることができました。

OOHはたくさんの業界、企業の広告を手がけます。私が大学入学前、そして院を卒業する前に興味を持っていた食品や化粧品関係、そしてファッションなどの業界とも親和性が高いメディアです。きっといつかそういった業界とも関わりが持てる、と信じています。もしかしたら宇宙関連の業界とも関われるかも。
だって私は「人生は伏線回収の連続だ」と信じていますから。きっと今までやってきたことは、ぜんぶ良い人生をおくるための伏線。そもそも自分が宇宙を研究したり、広告業界に飛びこむなんて、高校時代は思ってもみなかったですから。そういった人生の伏線を、いまも少しずつ回収しているんだなと感じています。これからjekiで歩む私の人生の物語に、どんな驚く展開が待っているのか、自分でも楽しみです。

(2024年4月現在)